福祉用具のメーカーから流通をつなぐ唯一の業界団体である一般社団法人 日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA)では、「安全・安心」をJASPAの活動の三本柱の一つとして鋭意 取り組んでいます。

在宅用電動介護用ベッドとJISマークに関するQ&A

一般

1.在宅用電動介護用ベッド JIS規格

「JIS T 9254在宅用電動介護用ベッド」が日本工業標準調査会で審議・承認され、平成27年12月21日付けで改正公示することとなりました。JIS T 9254:2015

2.改正の目的

今回のJIS改正の目的は、医療用ベッドの国際規格(IEC60601-2-52)が制定されたため、工業標準化法に則り、国際規格(IEC・ISO)との整合化を諮ることです。

3.改正趣旨

対応国際規格の主な改正は、リスクマネジメント(ISO14971)の概念の導入とそれに合わせた要求箇条章立ての構成変更となっておりますが、安全性能に関しての要求レベルは、旧国際規格と同等です。試験条件の多少の相違及び安全性能保証手段の変更はありますが、試験結果の数値判定に加えリスクマネジメント結果の判定へと見直しが成されております。
JIS改正におきましては、対応国際規格との整合性を基本方針としながら国内事情に鑑み、また,輸入障壁にならないよう適宜修正し,旧JISと同等の安全性の担保・確保を図りました。国内事情を考慮し、国内のニーズに応える固有技術(低床)などを使えるようにすることを主な理由として、対応国際規格に一部変更を加えております。また、海外からの製品を排除しないために、対応国際規格のうち、例えば、“代替手段を講じる場合は、受容できないリスクを生じてはならない。”というリスクマネジメントを要求する文章を追加することによって、対応国際規格に適合する製品なども使えるように考慮しております。

4.JIS規格の主な規格内容

隙間の規定

サイドレールとサイドレール、ベッド用手すり(グリップ)とヘッドボード等の隙間については、単に寸法を測定する静的なものから、隙間に直径6センチのジグを50ニュートンの力で差し込み、ジグが入り込まないことを確認するという、実際の事故を想定した動的な方法に改正します。これにより、製品がこの規定を満足するためには、隙間寸法に係る設計をより厳密にするとともに、徐々に挟まれていく危険性を有する誘い込み構造の見直しが必要となります。

隙間の規定 image

ベッド用手すり(グリップ)

ベッドに固定して使用する起き上がり、立ち上がり、移乗などの動作を補助するベッド用手すり(グリップ)について新たに具備すべき性能等を規定します。

リスクマネジメントによる設計

衣服などが絡みつくリスク、ベッドの可動部の隙間へ身体が挟み込まれるリスクなどについて、製造業者又は販売事業者は分析を行い、文書化しそれを維持することを規定します。

適正な組合せの表示

ベッドから取り外し可能なサイドレール及びベッド用手すり(グリップ)について、ベッド本体との組み合わせによる適正な隙間寸法を確保できるように、取扱説明書に「適合するサイドレール及びベッド用手すり(グリップ)に関する組合せを図示すること」を規定します。

Q&A

Ⅰ章 一般的事項に関するQ&A

Q1.在宅用電動介護用ベッドのJISの認証の特徴は何ですか?

在宅用電動介護用ベッドは、主にユニット構造になっており、工場から出荷される時点では、いくつかのユニットとなって出荷され、ユーザーに渡される前に流通事業者等がそのユニットを組み立てます。そのため、在宅用電動介護用ベッドのJISの認証にあたっては、流通事業者等が確実にそのユニットを組み立てることを条件にJISの認証が行われます。この製品におけるJISの認証の特殊性として、JISの認証以降に生産されたロットの異なるユニットであっても、JISの品質要求事項を満足する適切な形式を組み合わせることでJISマークを表示した製品として扱うことができます。
なお、JISマークはベッドフレームに表示されますが、JISに該当し、かつ、JISの品質要求事項を満足するベッド用グリップやサイドレールについては、当該ベッドに適合するものとして、ベッド本体や取扱説明書にその形式番号が記載されていますので、ベッドを利用される方は、必ず取扱説明書等を確認するようにしてください。

Q2.JISマークが付いている在宅用電動介護用ベッドは、どこがどのように安全なのですか?

JIS T9254では、在宅用電動介護用ベッドの基本的な機能・性能に加え、隙間等への身体の挟まり事故の防止策を含む内容となっています。一方で、JISの認証を受けた事業者は、JISに適合した品質の製品を安定的・継続的に提供できる生産体制が整っていますので、JISマークが表示された製品であれば一定の安全性が確保されている製品であると言うことができます。
ただし、JISマーク表示製品であっても、利用者の方の身体状況の変化や使用方法等の様々な要因で事故が起こる可能性があります。御利用の際は、取扱説明書等の記載事項を守り、十分な注意を払うことが必要です。

Q3.JISマークが付いていれば、故障や事故の際、補償の対象になりますか?

JISマーク表示に係る認証は、製品が該当するJISに適合していること、又、継続的にJISに適合した製品を製造することができる品質管理体制が整備されている事業者であることを証明するものです。このJIS規格(JIS T 9254)において規定している製品への要求事項(評価項目、基準)の中には、安全性に関する要求事項が含まれていますが、故障や事故が起きないという保証や、事故が起きた時の賠償を保証するものではありません。故障や事故が起きた場合には、速やかにメーカー、輸入業者、販売業者等にお知らせください。

Q4.2015版新JISは安全に関する規定が強化されたのですか?

改正の目的で記述してある通り、国際規格と整合するために改正いたしました。安全性に関する要求事項は旧JISと同等です。

Ⅱ章 製造事業者・輸入事業者に関するQ&A

Q1.認証機関によるJIS認証以外にJISの適合を表明する方法はありますか?

事業者はJISの認証を受けずにJISマークの表示することはできません。
しかし、自らの責任で製品についてJISへの適合を表明することは、「自己適合宣言」として可能です。ただし、この場合、事業者の自己責任として、JIS適合の表明に関する信頼性を確保すること及び説明責任を果たすことが必要です。例えば、自社での試験又は信頼できる試験所への依頼試験により得たデータ等によってJISへの適合性を示す根拠が必要です。また、自己適合宣言を行う場合には、JISマークを貼付することは出来ません(参考:JIS Q1000 適合性評価-製品規格への自己適合宣言指針)。
なお、仮に虚偽又は不当な自己適合宣言を行うと、不当景品類及び不当表示防止法や不正競争防止法違反になり得ますので十分に留意することが必要です。

Q2.JISの認証及び自己適合宣言以外に製品の安全性を表明できる方法はありませんか?

事業者が独自に自らの責任において安全性を証明するマーク等を製品に表示することは可能です。
ただし、JISの認証を受けた事業者以外の者がJISマークを製品に付したり、JISマークと紛らわしい表示を行ったり、又、輸入業者がこういった表示のある製品を輸入して販売を行った場合などは1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
また、品質等について事実に相違する内容を示したり、誤認させたりするような表示をすると、不当景品類及び不当表示防止法や不正競争防止法に抵触する恐れがありますので、注意してください。

Q3.出荷後の組み立てを確実にするための契約書等は、誰と契約したらよいでしょうか?

在宅用電動介護用ベッドについては、製品の出荷形態や流通の特殊性から、JISマークの表示された製品の信頼性(JIS適合 )を確保するため、製造業者等から出荷後に販売先で製品の組立作業を行う場合にはJISの品質・性能が損なわれないように適切に組み立てられることを確実にすること、又、取扱説明書を必ず製品とセットで引き渡すことを確実にすることなどが必要であり、このことが認証される条件となっています(JIS認証指針)。そのため、JISの認証を受けた製造業者等はこれを担保するひとつの方法として、一次販売先(自ら使用しない者)と契約を結ぶことが考えられます。加えて、二次販売先以後の販売については取扱説明書を必ず製品とセットで引き渡すことを確実にする必要があります。これらの契約に関しては、契約書(「覚書(サンプル)」)を当ホームページに掲載していますので、参考にしてください。 なお、JISの認証を受けた製造業者等が自ら使用する個人の購入者に直接販売する場合には、この契約は不要となります。

Q4.旧JISの位置づけはどうなりますか?

公示日以降は、JIS T 9254:2015となり、JIS T 9254:2009は廃止となります。
公示日以降に、新たにJIS認証を取得する場合、JIS T 9254:2015での認証審査となります。

Q5.2015版新JISにすぐ対応できませんが、方法はありますか?

経過的措置として、公示後一年間(平成28年12月20日まで)は、工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマーク表示制度において、JIS T 9254:2009によることができます。2009年版JISマークを貼付して市場に流通させることができます。

Q6.2015版新JISにいつまでに対応する必要がありますか?

認証省令第9条第5号により、JIS認証取得事業者は、JIS改正後、一年以内に臨時の認証維持審査を受けなければなりません。但し、経過的措置が設けられた場合は、その終了日の翌日が起算日となります。(平成28年12月21日から一年以内)従いまして、平成29年12月20日までに臨時認証維持審査を受けなければならないことになります。

Q7.2015版新JISに対応するために流通との間に新たな契約が必要ですか?

改正JIS認証取得後の製品を販売する際、2015年版CBA認証指針に基づき、 “適合しないユニット等を組立できない等”を確実にするための契約が必要となりますが、既に2009年版CBA認証指針に基づき契約を行っている顧客との間では、顧客に対し2009年度版に記載された契約内容を継続することを確認することで2015年版の契約と読み替えることができます。具体的な方法としては、製造事業者から顧客への通知文書又は電子メールによって行うことができます。(次回の定期認証維持審査時に確認されますので、確実に実施して下さい。)

Ⅲ章 流通事業者に関するQ&A

Q1.JISマークが付いていない在宅用電動介護用ベッドは販売・レンタルができないのですか?

JISマークの認証を受けることは事業者の任意であり、JISマーク表示制度はJISに該当する製品の販売やレンタル等に関する規制ではありません。
ただし、JISマークの認証を受けた事業者がJISマーク製品を出荷する際に、工業標準化法を遵守することは当然の義務です。

Q2.過去に製造・販売した在宅用電動介護用ベッドにJISマークを表示できないでしょうか?

事業者は、登録認証機関の認証を受けてから、その製造した製品にJISマークを表示することできるようになります。したがって、認証前に製造した製品や既に販売された製品にJISマークを表示することはできません。ただし、既に製造され工場から出荷されていない特定のロットの製品についてJISの認証(ロット認証)を受け、その製品に限りJISマークを表示することが可能です。

Q3.外国メーカーが製造したベッドに日本でJISマークを付けて輸入・販売するにはどうすればよろしいですか?

輸入業者もJISの認証を受けることが可能です。認証取得に関することは、登録認証機関にお問い合わせください。

Q4.JISの認証を受けた在宅用電動介護用ベッドの本体に、適合するサイドレールやベッド用グリップ以外のサイドレールやベッド用グリップを組み合わせた場合、これらはJISマーク製品と言えるのでしょうか?

JISの認証を受けていない在宅用電動介護用ベッドに、JISの認証を受けた在宅用電動介護用ベッドに適合するサイドレールやベッド用グリップを組み合わせても、JISマーク製品とはなりません。
また、JISの認証を受けた在宅用電動介護用ベッドに、JISの認証を受けた組み合わせ以外のサイドレールやベッド用グリップを組み合わせた場合や、JISの認証を受ける以前のサイドレールやベッド用グリップを組み合わせた場合もJISマーク製品とはなりません。
安全性の観点からもこうした組み合わせは行わないでください。
現在ご利用の製品を安全に使用する方法については、メーカーごとに対応が異なりますので、御利用されている製品のメーカーにお問い合わせください。

Q5.在宅用電動介護用ベッドを改造した場合にはJISの認証はどうなりますか?

基本的には、各メーカーの承諾なしに改造することができません。安全性の観点からも改造は行わないでください。JISの認証を受けた在宅用電動介護用ベッドについて改造を行った場合にはJISマーク製品ではなくなります。
なお、現在ご利用の製品を安全に使用する方法については、メーカーごとに対応がことなりますので、当該メーカーにお問い合わせください。

Q6.在宅用電動介護用ベッドを修理した場合にはJISの認証はどうなりますか?

JISの認証は基本的には工場出荷段階での認証であり、出荷後の修理ついては言及していません。
修理やメンテナンスの方法については、各メーカーにお問い合わせください。

Q7.JISの認証以前の在宅用電動介護用ベッドをJISの認証以後の製品に交換してくれないのでしょうか?

過去に製造・販売した在宅用電動介護用ベッドを交換する義務はどこにもありません。
現在ご利用の製品を安全に使用する方法については、メーカーごとに対応が異なりますので、各メーカーにお問い合わせください。

Q8.今までのJIS製品は流通することが出来るのでしょうか?

今まで通り可能です。

Q9.新JISと旧JISとの違いは何ですか?

安全性に関する要求事項は旧JISと同等です。国際規格に整合させるため一部の柵すきま寸法が変更されております。許容する柵間の距離を235mm以上から318mm以上に広げました。

Q10.旧JISベッドを改造して新JISに適合させることはできますか?

改造した製品にJISマークは付けられません。

Q11.旧JIS規格の製品を在庫している場合は改正後でも販売可能ですか?

既に購入した在庫品は販売可能です。

Q12.新JIS規格では今までの付属品(柵など)は使用できますか?

各メーカーにお問い合わせください。

Q13.同じ型式で新旧2種類のJISマークベッドが存在することになりますが、JISマークをカタログに表記する場合はどのようにすればいいですか?

カタログにJISマークをする時には、年号(2009、2015)種類(背・ひざ・高)を削除してJISマークだけを表示することができます。
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