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3.「福祉用具関連産業の地域振興に係る福産学官ネットワーク形成に向けた展開手法の検討」報告書要旨
(平成13年3月)
 5.地域振興にかかわるネットワーク構築に向けた展開手法の検討
地域連携のための具体的展開手法について、短期間での実現を目指す「ステップ1」、中短期の「ステップ2」及び「中長期」の3つの段階毎にとりまとめている。
【ステップ1】
  1. 情報の共有化及び利用について
    新たなにハード面での投資を行うのではなく、誰もが少ない投資で情報を共用できるよう、ソフト面での投資によるプラットホームを構築する必要がある。当初は、インターネットなどを活用し、関係者間のみでの情報共有が主となるであろうが、将来的には、関連機関が持つデータベースへのアクセス体制など、関係機関の外部資源を有効活用できる体制が望ましい。こうした基本システムに加え、電子商取引や受発注などに関するコンテンツも組み込むことが必要である。さらに、大学等に存在する資源情報を業界へ提供するためのルール・システムづくりも急務である。
  2. 内部・外部経営資源の利活用について
    学の情報を外部に提供するための窓口を明確に位置付ける必要があるとともに、大学間においても、情報を共有し相互補完するシステムを構築することが重要である。こうした仕組みが構築されることによって、地域における関連産業の高度化のための基盤となるであろう関連機関との連携体制が整うものと考えられる。
    こうした連携システムにおいては、ネットワーク化される関係機関それぞれがメリットを得られるよう、具体的内容にまで踏み込んだ意見交換・意志疎通を図った上で、その役割などを明確化をすることが重要である。こうした多様な視点でのネットワーク化によって始めて、消費者の多様なニーズに対応する具体的な仕組みが作り上げられるものと考えられる。
  3. 人材・育成・能力向上・交流の促進
    産業化に向けて求められる人材育成の重要性は、以前より指摘されているが、学問体系が未だ明確になっていない当該分野においては、そうした人材を育成する仕組みも明らかになっていない状況である。しかしながら、優秀な人材への期待は大きいことから、大学等地域における教育機関等が相互に連携しつつ、多様な教育機会を創出することが必要である。人材育成に関しても、こうした多様性を高めていくことにより、工学・臨床・サービス等、その人が今必要な能力を向上できることも期待される。
    こうした人材育成システムと産業界などとの連携によって、今後求められるであろう総合的なコーディネートができる人材をも生み出せるようなシステムが確立されるよう、今から、長期的視野にたった展開が望まれる。
【ステップ2】
地域内外の連携ネットワークを構築するため、全国の関係機関の地域資源マップを統一規格で作成する必要がある。大学なら技術マップ、福祉施設は福祉技術マップといった具合である。これにより地域内外でのネットワーク化が円滑になる。こうしたマップを地域毎に作成することによって、外部資源を有効に活用できるとともに、費用対効果の高い共通プラットホームの構築が早期に運営されるものと期待される。
【ステップ3】
国内のみならず、世界的視野を持ったグローバルネットワークの構築が必要と考えられる。現時点で想定されるものとしては、先の前段階で構築されたネットワークに、国内企業のみならず海外企業をもネットワーク化し、国内のある多様なニーズに的確に対応できるグループをその都度形成することができれば、利用者の満足度は大きく向上されることが期待される。こうした取り組みが産業界の自立的発展に大きく寄与するものと考えられる。こうした仕組みが確立されれば、国際ネットワークからは、海外の知見・国内の知見を双方向で受発信できることから、我が国の国際貢献をも可能にするシステムの構築が期待できる。
なお、こうしたシステムは、あくまでも産業界あるいは地域的な取り組みのなかで行われることが期待されるとともに、システムの運営そのももボランティアではなく、必要な情報については相応の対価を支払うといった、ビジネスとして成立する仕組みとなるよう、当初からビジネスベースでの運用を含めた仕組みづくりが求められる。
 6.今後の課題
福祉用具関連産業の高度化のために福産学官連携の必要性とその具体的取り組みを具現化するため、まず、専門分野を持つ人材が連携する場合、関係者が互いの専門性を認識した上で議論を進めることが肝要である。現状では、各分野の専門用語や通例が一般化されておらず、他分野の人に中々真意が伝わらないという問題がある。これでは、深い議論や真の連携は難しいことから、「専門言語の一般化・共通化」が強く望まれる。次いで、連携活動を進めるにあたり、さしあたって人・もの・金が必要である。これらをどのような形で分担するのか、「運営主体・体制の明確化」のための議論を早急に検討することが必要である。加えて、大学等高等教育機関などの積極的な取り組みが期待される。大学等には多くの知見が情報が蓄積されている。こうした情報を地域企業等に提供したり、企業が気軽に施設等も利用できるような開放的な仕組みを確立されることが期待される。さらには、大学間での専門分野やノウハウの共有や各地域において不足する資源を相互補完するための橋渡しなど、福祉分野、産業界が関連する、利用者の生活の質向上のための産業発展につながる枠組みの核として、地域の大学等における意識の醸成や積極的な取り組みが期待されるところである。
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