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ホーム > お役立ち > 福祉用具関連情報 > 1.福祉用具関連法律(含む介護保険関連告示・通知)
1−3.福祉用具法基本方針
福祉用具の研究開発及び普及を促進するための措置に関する基本的な方針
平成5年10月1日
厚生省
通商産業省 告示第4号

近年、我が国における急速な高齢化の進展の中で、老人が住み慣れた地域や家庭で安心して暮らし続けることができ、かつ、可能な限り自立して積極的に社会に参加することができる環境を整備していくことが重要な課題となっている。このため「高齢化保健福祉推進10か年戦略」等に基づく在宅保健福祉サービスの拡充、各種保険福祉施設の整備等の施策が推進されている。

一方、障害者施策についても、平成5年度からおよそ10年間にわたる施策の基本的方向と具体的方策を示すものとして本年3月に策定された「障害者対策に関する新長期計画」に基づき、障害者の自立と社会参加を図るため、関係省庁で連携を取りながら、政府全体としての取組が進められている。

こうした各般の施策の展開に伴い、自立と社会参加の基盤ともなる福祉用具の普及や住環境の整備、暮らしやすいまちづくりの推進等心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人(以下単に「老人」という。)や心身障害者を取り巻く環境整備の重要性が改めて認識されている。とりわけ福祉用具の利用は、老人や心身障害者の自立を支援するとともに、介護者の負担を軽減する上で極めて重要であり、利用者の心身の特性やその置かれた環境等を踏まえた、適切な福祉用具の提供が強く望まれる。

これまでも福祉用具の研究開発とその普及に向けた取組が進められてきたが、我が国の産業技術を活用した優れた福祉用具が更に積極的に研究開発され、適切に提供されるよう、より充実した体制を整備することが早急に求められている。

こうした状況を踏まえ、福祉用具の研究開発及び普及を促進することを目的として、この方針を定めるものである。

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第1 福祉用具の研究開発及び普及の動向に関する事項
1 福祉用具の研究開発の動向

福祉用具の範囲は広く、その研究開発の一翼を担う製造業者の全体を把握することは困難であるが、製造に携わる事業者の多くが個々の中小企業者である一方、一部には大企業の参入や関連業界団体による組織的な取組も見受けられる。

適切な福祉用具に対するニーズの高まりを受けて、市場の一層の発展が期待されるが、福祉用具の製造事業者からは、@利用者のニーズが多様であり、どういう福祉用具を求めているか十分に把握できない、A利用者の苦情等を整理して体系的にフィードバックする仕組みが不十分、Bマーケットが小さく他品種少量生産のため、研究開発コストの回収が難しい等の問題が指摘されてきた。

また、本格的な高齢社会の到来を目前にして、今後急速に増大する老人の多様な特性やニーズ、居住環境等を踏まえた福祉用具の研究開発は必ずしも十分とは言えない状況にあり、平成3年10月には老人福祉法及び老人保健法が改正され、福祉用具の研究開発の推進が国の責務として位置付けられた。

このような動向を踏まえ、厚生省では、老人や心身障害者のための福祉用具の研究開発の促進に向けて積極的な取組を進めている。まず、国立身体障害者リハビリテーションセンターにおいて福祉用具の開発に必要な基礎研究や、より高度・専門的な、学際的視点からの先進的研究を行っている。また長寿科学総合研究の一環として福祉用具の開発に当たっての基礎的技術等の研究を推進するとともに、社会福祉、・医療事業団の長寿社会福祉基金の運用益を活用し、研究開発助成を実施している。

一方、通商産業省では、昭和51年度より医療福祉機器技術研究開発制度により、最先端の産業技術を駆使した福祉用具の研究開発を進めており、昭和63年に制定された産業技術に関する研究開発体制の整備等に関する法律によって、福祉用具の開発に必要な産業技術の研究開発の推進が一層明確にされた。現在は、新エネルギー・産業技術開発機構において研究開発を推進するとともに、工業技術院の各試験研究所においても研究が進められている。また、情報処理機構に関し、老人や心身障害者にも操作しやすい機器開発の実現を目的とした開発努力がなされている。

2 福祉用具の普及の動向

福祉用具の普及については、民間の販売事業者と賃貸事業者の事業活動を通じた展開がある一方で、各市町村における日常生活用具給付等事業や補装具交付等事業の実施、社会福祉施設等における導入も大きな役割を果たしている。
こうした取組が進められる中、福祉用具の普及に関しては、これまで、@どういう福祉用具があるのかわからない、福祉用具の存在をしらない、A入手の方法がわからない、B具体的にどの福祉用具が適当なのか、何を選んでいいのかわからない等の問題が指摘されてきた。
このため、専門的な相談や大規模な展示を実施するため介護実習・普及センターが整備されるとともに、身近な展示・相談の場として活用できる在宅介護支援センターや高齢者総合相談センターの整備が進められてきた。
また、社会福祉施設における福祉用具の導入を進めるため、従来から社会福祉施設等設備整備費補助金の中で、福祉用具の導入に要する費用の補助が行われてきたほか、介護機器普及促進事業等を通じて、モデル的に特別養護老人ホーム等において導入支援が図られている。
さらに、日本開発銀行や社会福祉・医療事業団の低利融資を通じ、福祉用具の普及促進のための支援が行われている。

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第2 社会福祉の研究開発及び普及の目的に関する事項
1 福祉用具の研究開発及び普及の目標

老人や心身障害者の地域や家庭における自立と社会参加を促進し、介護者の負担を軽減する上で、福祉用具が果たす役割は極めて重要である。このため、福祉用具の研究開発に当たっては、利用者の真のニーズを踏まえ、改良から高度の産業技術を活用した研究開発に至る広範な取組を進める必要がある。<
その際には自立支援と介護支援という観点から研究開発を一層推進するとともに、基本的な生活動作である入浴、排せつ、移動等を円滑に行える福祉用具や、日常生活を営むのに欠かせない意志の伝達を容易にする福祉用具の研究開発を積極的に推進する必要がある。
自立支援の観点からは、日常生活上の便宜を図り、機能訓練を進め、低下した心身機能を補う各種の福祉用具の研究開発を、社会参加の視点を踏まえながら進めることが重要である。特に、自立意欲は強いものの全面的な介護に頼らざるを得ない者を対象とする自立支援のための福祉用具の研究開発の強化が強く求められる。
また、介護支援の観点からは、介護者の身体的・精神的負担を軽減するための福祉用具の研究開発が重要である。介護の負担は、自立意欲が弱い者や痴呆の者の場合に特に重くなるが、こうした負担を軽減していくための研究開発の強化が必要である。
さらに今後は、福祉用具の使い易さ、安全性、経済性にも配慮して、必要性の高い分野における重点的な研究開発を、保健福祉サービスの提供の状況も踏まえながら、計画的に推進していく必要がある。
また、こうした研究開発の成果が生かされた適切な福祉用具が利用者に円滑に提供されるよう、研究開発との連携の下に積極的な普及促進に努めることが重要である。

2 福祉用具の研究開発体制の整備目標

福祉用具の研究開発に当たっては、我が国の優れた産業技術の活用、人間工学や生理学等の応用が不可欠であるとともに、老人や心身障害者、老人福祉施設等の利用者からのニーズや苦情等を確実に吸い上げて反映させていくことが極めて重要である。そのためには、国、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律に基づく指定法人(以下単に「指定法人」という。)及び新エネルギー・産業技術総合開発機構を中核として、@製造事業者、販売事業者、賃貸事業者から成る福祉用具の供給者サイド、A老人や心身障害者、老人福祉施設等の利用者サイド、B国立身体障害者リハビリテーションセンターや工業技術院の各試験研究所等の国立試験研究機関から成る基礎研究者サイド、C福祉用具に応用可能な高度の産業技術シー図を有する民間企業サイドそれぞれの役割を明確にし、その有する情報やノウハウを相互に提供、活用していけるようなシステムを構築する必要がある。こうしたシステムによりメリットを享受する各主体が、システムの中核となる指定法人や新エネルギー・産業技術総合開発機構に協力し、システム全体を支えていくような恒常的な関係が樹立されることが目標とされる。

また、国においても、これまで厚生省と通商産業省とがそれぞれに研究開発や研究開発助成を行ってきたところであるが、今後は、厚生省、通商産業省、指定法人及び新エネルギー・産業技術総合開発機構が密接な連携を取りながら総合的な取組を進めることが重要である。

3 福祉用具の普及体制の整備目標

利用者の自立の促進、介護者の負担の軽減の目標にかなうような福祉用具が選択できるよう、福祉用具を実際に見たり試したりしながら必要な相談に応じられるセンター(以下「展示・相談センター」という。)の一層の整備を進める必要がある。このため、在宅介護支援センターを平成11年度までに1万か所整備するとともに、介護実習・普及センターについても都道府県・指定都市における設置を推進する。
また、これらの整備に加えて、例えば巡回自動車における展示相談や相談員を派遣すること等により、在宅の老人や心身障害者に対し積極的に情報提供を行うような体制の整備も重要である。

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第3 福祉用具の研究開発及び普及を促進するため講じようとする施策の基本となるべき事項
1 福祉用具の研究開発の促進
(1)民間事業者が行う研究開発の支援

福祉用具の研究開発に要する費用の軽減を図るため、指定法人の行う研究開発助成や新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う実用化推進のための研究開発助成、長寿科学総合研究の一環として行われる基礎的研究助成の充実、国有の試験研究施設の減額使用等の措置を講ずるとともに、研究開発及び設備投資に係る低利融資の充実等の支援策について検討を進める。

(2)国等の行う研究開発の促進

国立身体障害者リハビリテーションセンターや工業技術院の各試験研究所等の国立試験研究機関における基礎的研究分野を中心とした福祉用具の研究開発の一層の充実を図るため、研究施設の充実、研究者の確保等研究開発体制の拡充強化を図る。
国立身体障害者リハビリテーションセンターにおいては、地方公共団体のリハビリテーションセンターとの連携体制を整備する。
また、工業技術院の各試験研究所においては、横断的、基盤的な産業技術の研究、福祉用具の標準化を円滑に進めるための基盤研究を実施する。
さらに、新エネルギー・産業技術総合開発機構においては、福祉用具に係る産業技術の研究開発の一層の拡充、利用者ニーズと産業シーズの適合調査研究や人体特性等のデータベースの整備に取り組む。

2 福祉用具の普及の促進
(1)展示・相談機会の確保

介護実習・普及センターや在宅介護支援センター等の整備を一層促進するとともに、職員の資質向上を図るため、相談マニュアルの活用や研修の充実等を進める。
また、ホームヘルパー、寮母、保健婦等についても、福祉用具の選択や使用方法等についての相談に応じられるよう、研修や養成課程において知識の提供等に努める。
さらに、利用者が福祉用具を直接購入できるいわゆる介護ショップにおける相談等の充実や地元商店、薬局等の商業資源の活用を図る。

(2)情報収集提供システムの構築

福祉用具に係る商品情報や販売店、レンタルショップ等の販売情報を利用者や展示・相談センターに適切に提供するシステムや、福祉用具に対するニーズや苦情等の利用者からの情報及び産業技術等の情報を収集し、福祉用具の研究開発及び普及を行う者等に対し適切に提供できるシステムを、指定法人及び新エネルギー・産業技術総合開発機構が相互に連携して構築する。

(3)評価と標準化等

利用者がそのニーズにあった福祉用具を容易に選択できるようにするためには、展示・相談機会の確保に加え、福祉用具に係る客観的な判断基準が求められる。
このため、日本工業規格(JIS)による福祉用具に関する標準化の一層の推進と国際規格化を進める。またJISマーク表示制度等の活用を図るとともに、福祉用具の効果や使いやすさ、安全性、耐久性に関する評価の仕組みとその評価結果を明示するための方途を検討する。
さらに、多様な商品情報を横断的にとらえ情報流通の円滑化を図る上で、また福祉用具の普及実態を把握する上でも効果的である福祉用具の分類体系の整備を、我が国の実情を踏まえて検討する。

(4)提供システムの改善

日常生活用具給付等事業や補装具交付等事業については、利用者からの多様なニーズに応えられるよう、給付種目等の一層の充実を図るとともに、賃貸事業者の活用等により他品目からの選択ができるような仕組みを検討する。
また、医療保険制度における福祉用具に関する経費の一部助成は、利用者の選択を可能にしつつ福祉用具の普及を図る上で有効な方法であり、実施主体の拡大等を検討する。
さらに、不要になった福祉用具のリサイクルの推進を図る。

(5)社会福祉施設等への福祉用具の導入

入所者等の処遇改善、介護職員等の負担の軽減を図る観点から、社会福祉施設や病院等の医療施設等における福祉用具の導入を積極的に推進するとともに、その費用に係る補助や融資の充実を検討する。
また、あらかじめ指定された社会福祉施設等における福祉用具のモデル的試用や、先駆的・効果的な施設導入事例の紹介等を検討する。

(6)社会環境の整備

福祉用具の導入促進という観点から、建設当初から加齢に対応できる構造・仕様が組み込まれた住宅の在り方について、調査研究を進めるとともに、増改築も含めた融資制度等の支援策の充実を検討する。
また、小売店舗等の日常生活で利用される施設への福祉用具の一層の導入を図るための支援策について検討する。

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第4 福祉用具の研究開発及び普及を促進するため事業者等が講ずべき措置に関する事項
1 製造事業者、販売事業者、賃貸事業者の講ずべき措置
福祉用具の製造事業者は、老人や心身障害者の心身の特性や状況、置かれている環境を十分に踏まえ、優れた産業技術を活用した福祉用具の研究開発、製造に努めるとともに、品質管理の徹底、アフターサービスを含めた利用者サービスの向上や従事者の研修、資質向上等に努めなければならない。  

また、福祉用具に対するニーズや苦情等の情報を的確にその製造に反映させるとともに、持ち込まれた苦情に対して的確に対応できるシステムづくりに努めなければならない。

 一方、福祉用具の販売事業者や賃貸事業者も、その管理に係る福祉用具の販売・賃貸に際し、個々のニーズを踏まえた提供や利用者サービスの向上等に努めるとともに、老人や心身障害者の中には、感染症に対する抵抗力が低下している者も少なくないことから、十分な滅菌を行う等その衛生的管理に努めなければならない。
2 老人福祉施設開設者等の講ずべき措置
老人福祉施設等の施設開設者は、福祉用具の導入を積極的に図ることにより、施設入所者等の自立の促進と寮母等直接処遇職員の負担軽減を図るように努めなければならない。この場合において、福祉用具導入の効果として業務省力化された部分を、本来機械器具ではできない愛情豊かできめ細やかな処遇に振り向けるよう努めなければならない。  

さらに、施設入所者が福祉用具を利用する中で生じる福祉用具の欠点等に係る情報や苦情等を的確に把握し、その製造事業者や販売事業者、賃貸事業者等にフィードバックしていけるよう、情報の整理・提供に努めなければならない。

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第5 その他福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する重要事項
1 地方公共団体による福祉用具の普及の促進
市町村は、在宅介護支援センターの整備を進める等福祉用具の利用者に対する必要な情報提供や相談等を行う体制を整備することが重要である。さらに、福祉用具の利用と保健福祉サービスの提供を連携させることにより、利用者の自立促進と介護者の負担軽減が一層効果的に行われるよう総合的に支援していくことが重要である。  

また、都道府県等は介護実習・普及センターの整備や身体障害者更正相談所の機能強化等を進めるよう努めるとともに、より専門的な情報提供や相談、市町村に対する助言等を、指定法人の情報提供や協力を得ながら行う、ことが重要である。

2 国際的な交流の促進
福祉用具に対する利用者の多様なニーズに適切に応えるためには、優れた福祉用具の導入の推進が求められる。現在、欧米を中心として既に優秀な福祉用具が開発されている例も多いことから、これら諸外国における福祉用具開発の情報収集体制を強化するとともに、我が国の住環境等その使用される環境に適した福祉用具の導入を図る。  

また、欧米の研究開発機関との共同研究、情報交換、技術交流や、アジア諸国等への技術提供を推進する。

3 国民の理解の促進
福祉用具の普及を促進するため、国民1人1人の福祉用具に対する関心を高め、理解を深める必要がある。  

このため、福祉用具に関する積極的な広報活動に努めるとともに、例えば全国健康福祉祭(ねんりんピック)のイベントの1つである健康福祉機器展や、内外の製造事業者等が出展する国際保健福祉機器展に見られるように、多様な機会、場を利用して、福祉用具の利用の重要性について国民の認識を高めるための啓蒙活動を展開する。

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